【洋書読書⑥】『Alchemised』―話題のハリポタ二次創作を読んでみた
こんにちは!
まーーーた半年も放置してしまいましたが…私は元気です笑
娘が2歳になる前に日本へ一時帰国する予定で、いまから楽しみです!
今回はアメリカで話題となっている『Alchemised』を紹介します!!
Alchemised

2025年9月23日に発売された『Alchemised』はアメリカ人のSenLinYuによって書かれたManacledという二次創作小説を改編したもので、もともとはファンフィクションサイトで公開されていました(ManacledはAlchemisedの発売に先駆けてすでに削除されているそう)。
『ハリーポッターシリーズ』のハーマイオニー・グレンジャーとドラコ・マルフォイを主人公に、Huluのドラマで有名な『侍女の物語(The Handmaid's Tale)』の要素を混ぜたダークファンタジーとなっています。
Alchemised の世界ではResonance(レゾナンス)というエネルギーをもとにAlchemist(アルケミスト)たちはAlchemy(錬金術)を操ることがでます。Alchemist(アルケミスト)の能力の種類や程度は様々で、Alchemist(アルケミスト)でない人たちもいます。
あらすじ
暗いタンクの中で14ヶ月もの間生き延びたHelenaは、意識を取り戻すと戦争が終わっていた。不死身となった敵はHelenaの戦友を残らず処刑し、国は死体を操るネクロマンサーに乗っ取られてしまった。
戦争の終わった世界でHelenaは「抵抗軍の最後の一人」として囚われの身となるものの、戦争中からタンクに入れられるまでのHelenaの記憶は何者かによって消されていた。
記録上ではただのヒーラー(治療者)だったHelena。Helenaは一体どんな秘密を抱えているのか?そして誰が何のためにHelenaの記憶を消したのか?Helenaの記憶の謎を明かすため、ネクロマンサーたちを率いるMorroughは部下のHigh ReeveにHelenaの記憶の解明を任せるのだった。
ハリポタファンでも読める?
Alchemisedはハリーポッターシリーズのファンによる二次創作ではありますが、世界観や雰囲気、舞台設定などはハリーポッターとは全くの別物です。登場人物などハリーポッターを連想させる部分はありますが、登場人物の名前も異なっているのでハリーポッターの世界観を壊すということは無いと思います。しかし、逆にハリーポッターを期待して読むと戸惑うかもしれません。ダークファンタジーなので生々しい表現もあり、苦手な人は要注意です!
感想
ネタバレ無し
この本はパート1から3までの三部構成になっています。1,000ページを超える長さですが、一度ハマったら読む手が止められない本でした。
ただ、Alchemy(錬金術)が題材になっているので、最初は用語が分からなさ過ぎてついていけず…物語のダークな雰囲気とHelenaの記憶喪失も相まって、パート1は沼を進んでいるような感じでした。長い本なので気がせって早く読み進めたい気持ちになりますが、読み飛ばすと「あれなんだっけ?」「これなんだっけ?」となってしまうので、気長にじっくり読むのが良さそうです。
始めは圧倒される用語にもだんだん慣れてくるので、頑張って読んでみてください笑(次で用語解説しているので、これから読む人は参考にしてください!)
この記事を書いている時点ではまだ半分読んだところなのですが、本が面白すぎて読み終えたくない一方、物語に引き込まれすぎて読むのが止められないというジレンマに悩まされています……。パート2まで読み終えたらパート1・2を再読してパート3を読むのがいいと聞いたのでそうしようかな…?いろんな人の感想を聞くのも楽しみなのですが、ネタバレしたくないので読み終えるまでのガマン…!でも読み終えたくない~~
若干のネタバレ有り
Morrough率いるネクロマンサーたちは自分たちの身体を不死身にし、戦闘に死体を利用して、Helenaたち抵抗軍を打ち負かそうと容赦ない攻撃を仕掛けてきます。一方のHoldfast一族が率いる抵抗軍は、信仰と正義を信じて自分たちは必ず勝つとリーダーのLucを盲信しています。
まさに善と悪の戦いと言えそうですが、外国からAlchemyを学びに来ていたヴィヴィマンシーでもあるHelenaは、抵抗軍の中ではいつも孤独。きわめて高い能力を持つ治療者として全力を尽くして働いても、いい結果が残れば信仰のおかげ、悪い結果になればHenelaの能力不足と責められます。しかし、戦いをあきらめたら世界の終わり。学生時代からの親友Lucのためなら何でもできる、とHelenaは身を削って貢献しますが、戦いは終わりが見えない…。
一方のKaine FerronはMorroughの命令で、当時の抵抗軍のトップだったLucの父を16歳の時に暗殺しUndyingとなったものの、死んだ母親の復讐のために抵抗軍のためにスパイとして働くことを決めます。だからといって信仰心はなくHoldfast一族に疑心を抱くKaine。友人も家族もおらず、残酷な仕打ちを受けてもMorroughの駒として働かざるを得ないKaineも孤独を抱えていました。
そんな二人はスパイ任務を通じて次第に心を通わせていきます。戦争という暗い現実の中で変わっていく二人の関係がなんとも切なくやるせない…。すべてを投げ出して逃げ出したら、その選択を後悔せずに生きていけるのか?犠牲を払って今を生き延びることが、はたして「生きている」と言えるのか?たとえ抵抗軍が勝ったとしても、その後の世界はHelenaとKaineが望むものなのか?
KaineはHelenaが助かればそれでいい、世界は自分たちのことなど気にしていないと言います。それに対してHelenaは、
"You're wrong because I'm part of the universe."
"It matters to me, everyone who's died and everyone who will, and everyone who suffers. As long as I exsit, I will always care. And that means that part of the universe does."
なんて素敵な考え方なんだろうと思うと同時に、Helenaの犠牲と努力が報われることがあるのだろうかと悲しい気持ちになりました…。二人の未来、そしてPaladiaの未来がどうなっていくのか、物語の結末がおっかな楽しみです。
用語解説
Alchemy(錬金術)関連
- Resonance(レゾナンス):錬金術の元となるエネルギー。
- Necromancy(ネクロマンシー):死体を操る能力。
- Vivimancy(ヴィヴィマンシー):生きている身体を操る能力。治療や拷問に用いられる。
- Animancy(アニマンシー):感情や記憶、魂を変える能力。
- Pyromancy(パイロマンシー):炎を操る能力。
- Metallurgy(メタラジー):金属を操る能力。能力によって操れる金属の種類は異なる。
Necromancy(ネクロマンシー)関連
- Necrothrall/Thrall(ネクロスラル/スラル):ネクロマンサーによって操られている死体のこと。
- Undying(アンダイイング):不死となったAlchemistのこと。
- Liches(リーチーズ):もとの身体とは異なる体(死体)に移ったUndying(アンダイイング)のこと。
その他
- Transference(トランスフェレンス):生きている身体に別の魂を移すこと。Helenaの記憶の解明にこの手法が用いられる。
- The Order of the Eternal Flame:抵抗軍とも知られる。宗教に基づく組織で、Holdfast一族による統治の存続を目指していた。
- The Guilds:戦争後の政権を握る組織。古くから続くAlchemistの一族からなり、ネクロマンサーのMorroughによって率いられる。
地理/地名
- Paladia(パラディア):物語の舞台となる国。太陽の神に選ばれたHoldfast一族によって統治されていた。
- Central(セントラル):Paladiaの中心地。川の中州のような地形で、西の島と東の島に分かれている。
- Spirefell(スパイアフェル):Kaine Ferronの邸宅がある場所。
- Academy Institute:Alchemy Towerを中心に建てられた錬金術を学ぶ学校/研究所。東の島にある。
地図


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【洋書読書⑤】『Devine Rivals』
こんにちは!
最近かぎ針編み(Crochet)にハマっています!Libbyでオーディオブックを聴きながら編むと読書も楽しめて一石二鳥。
ということで、今回は最近聴いたおすすめのオーディオブックを紹介します!
Divine Rivals
Rebecca Rossによる2023年に刊行された小説で、Ruthless Vowsと合わせて上下巻の2冊で完結しています。
I am coming to love him, in two different ways. Face to face, and word to word.
—『Divine Rivals (Letter of Enchantment, #1)』Rebecca Ross著
あらすじ
UnderlingsとSkywardsという神々がいる世界。2人の神が長い眠りから目覚め、人間たちを使って戦争を始める。
Iris Winnowは母との暮らしを支えるため、出征した兄Forestとの約束を破り学校を退学して新聞社で勤め始める。上司はIrisの文才を買っていたが、コラムニストとしての役職を同僚のRoman Kittと競わせることにした。Kittは貧しいIrisとは対照的で上流階級の出身だったため、生活のためにも、どうしてもコラムニストになりたかったIrisは対抗心を燃やす。
一方、Irisの兄は出征してから5ヶ月が経っていたが、手紙も無いまま行方知れずとなっていた。届ける先も無いものの、Irisは亡き祖母のタイプライターを使って兄に手紙を書き続けていた。Irisと母の住むアパートは魔法がかかっているようで、IrisがタンスにしまったForestに宛てた手紙は全て消えてしまうのだった。
しかし、ある日タンスの中に手紙の返事が届く。手紙にはひとこと「私は君の兄ではありません」と書かれていた。この日以来、Irisは謎の相手と文通を交わすようになる。兄が出征して以降、母はお酒に溺れるようになってしまい孤独だったIrisにとって、謎の文通相手は心を許せる特別な存在となっていた。
コラムニストとなるため上司からの課題をこなすIrisだったが、ある日、身元不明の女性の死体の情報提供を求める記事を書くよう指示される。警察署に向かったIrisだったが、そこにあった死体はIrisの母だった。悲しみに打ちしがれるIrisは仕事どころではなかったものの、上司や同僚のKittに同情されることに耐えられずIrisは母の死を謎の文通相手以外の誰にも打ち明けなかった。
仕事に身の入っていないIrisに対し、上司はコラムニストの役職をKittに託すことを告げる。兄も行方不明となり母も亡くしたIrisは、コラムニストになるよりも唯一の肉親であるForestを探しに行く事を決心し、その場で上司に退職を伝えるのだった。
戦地へ向かうためタイプライターを持参して従軍記者の仕事の面接を受けるIris。そこでIrisは祖母のタイプライターが魔法がかかった特別なもので、祖母は離れた親友二人と三対の魔法のタイプライターを使って文通をしていたことを知る。
Irisは従軍記者として旅経つ前に謎の文通相手と最後の手紙のやり取りをして、魔法のタイプライターと共に戦争の最前線に向かうのだった。
おすすめポイント
この本はファンタジーでありながら、第一次世界大戦のような雰囲気もあるところが面白いなと思いました。オーディオブックはイギリス英語なので第一次世界大戦のような雰囲気がさらに楽しめます。
また、作中に自動車は出てきますが、テクノロジーはさほど進んでおらず、魔法のタイプライターによる主人公たちの文通を中心に物語は進むところがロマンチック。Irisの”謎の文通相手”の正体は読者に対しては割と早々に明かされるものの、主人公のIrisは後半まで気づきません。
物語の舞台は戦争が神によって争われている世界ですが、人間たちは神のことをよく知りません。二人の神DacreとEnvaはなぜ争っているのか、Irisたちが戦火に巻き込まれる過程で世界の謎が徐々に明かされていきます。
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電子書籍を「借りる」—“Libby”を使ってみた!
こんにちは!
Kindleを手に入れてから読書はもっぱら電子な私ですが、アメリカ人の知人に【Libby】というアプリを教えてもらったので使ってみました!
簡単に登録できたので興味がある方はぜひ試してみてください。
°˖✧目次✧˖°
Libbyとは
書籍、オーディオブック、雑誌などを公共の図書館からデジタルで借りることができるアプリ。本の貸し出しはもちろん、アプリも無料で利用することができます。
登録の仕方
まずは図書館カードをゲットしよう
Libbyでは図書カードの番号を登録して、アプリを通して図書館のアカウントにログインすることで利用することができます。
ということで、まずは近くの図書館へ行ってカードを作成しましょう!
有効なID(免許証/グリーンカードなど)を図書館のカウンターで提示して、住所や電話番号など必要事項を伝えて簡単に作成することができます。図書館のウェブサイトのログイン情報(パスワード)は忘れないようにしましょう。(私の場合は4桁の数字でした)
アプリに情報を登録

図書館のカードができたらあとは簡単!Libbyにカードを登録します。必要なのはカード番号とパスワードだけです。
あとは借りるだけ
登録できたらあとは借りるだけ!
もちろん図書館の蔵書には限りがあるので、借りたいものが見つからなかったり、貸出中で予約が必要な場合もあります。
Kindle端末で読むには

Kindle端末で読むにはアプリ上で「Kindleで開く」を選択します。Amazonのログイン画面に進むので、ログインするとAmazonを通してレンタルすることが出来ます!
オーディオブックはアプリ上で再生できる
オーディオブックはLibbyのアプリ内で再生できます!
たまに音が飛ぶことがありますが、操作性はいい感じです。*Audibleと比べると音質は劣るかもしれません。
オススメのオーディオブック
Shatter Me
【あらすじ:環境破壊が進んだ世界。主人公のJulietteは不思議な力で偶然にも子供を殺めてしまい、新政府によって囚われの身となってしまった17歳の少女。牢で過ごす彼女の唯一の慰めは、盗んだ手帳に自分の感情を記すこと。ある日、そんな孤独な彼女の牢に見覚えのある青年Adamが収容される。】
このシリーズはメインの本が6冊、短編が5冊(オーディオブックだと3本)から成っています。Julietteの手記がたくさん出てくる第一巻は独特な雰囲気なので、本だと読みずらいかもしれませんが、このユニークさがオーディオブックで逆に魅力的な雰囲気をさらに醸し出しています。ナレーターの声がJulietteとマッチしていて素晴らしかったです!女性なのに男性の声を演じる時もすごいセクシーで演技力抜群でした。(物語が進むにつれナレーターも増えます。)残酷なシーンもありますがハッピーエンディングで、SF好きな方は楽しめると思います。
最初の出版は2011年ですが、今年(2025年)の春にShatter Meシリーズと同じ世界を舞台にしたWatch Meが出版されました。
The House at Watch Hill
【あらすじ:Zoは末期ガンを患う片親の母を支えるため必死に働いていたが、ある日自宅の火災によって突然母を亡くしてしまう。そんな中、自分がとある資産家の血縁者で、莫大な資産を相続する立場にあることが知らされる。相続の条件はルイジアナの邸宅に3年住むこと。Zoは自分の未来のため相続を引き受ける決断をする。しかし、ウォッチ・ヒルにあるゴシック調の邸宅とその家を管理する人々、ディヴィニティの町には不思議と秘密が隠されていた…。】
このシリーズは私が大好きなFeverシリーズの作者カレン・マリー・モニングの最新作です。3部作の予定で、第一巻が2024年に出版されたばかり。不気味なアメリカ南部の家を舞台に、不思議な人々との出会いのなかでZoの出自の秘密が明かされていくミステリアスな雰囲気のストリーです。ラストシーンではFeverシリーズとのクロスオーバを示唆する内容もあり、次巻が楽しみです!
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娘が一歳になりました!
こんにちは!
気づけば最後の投稿から半年くらい経っていました笑
こんなテキトー更新のブログですが、今でもVisa関連の記事はよく読まれていてコメントもいただいていてとても嬉しいです!
先月でアメリカ生活も3年目に突入!!!近況を書いておきたいと思います!
°˖✧目次✧˖°
日本に一時帰国していました!

春に家族で一時帰国していました。母以外の家族は娘に会ったことがなかったので、会わせることができて良かった♡家族も友人もたくさん可愛がってくれて感謝感激でした。
本当は長期フライトのレビューとか書きたかったのですが、あっという間に2ヶ月も経ってしまって忘れました爆
一か月ほどの帰国でしたが予定もいっぱいであーっという間でした…!もっと納豆とラーメンいっぱい食べてくればよかったな笑
先日娘が一歳になりました!

この間生まれたばかりなのになー、と思う一方で、見た目にも大きくなった娘を見るとやっぱり一年経ったのかと実感します…。生活のリズムもついて一人寝・一人遊びもできるし、子育て初期と比べるとだいぶ楽になりました。(まだまだ自分の時間は少ないけど)
離乳食はしょっぱなからモリモリ食べてくれる娘でしたが、最近つかみ食べが始まってご飯で遊ぶようになって毎回すごい汚れます…。そして食べる量が減った気がする!
誕生日にはヨーグルトケーキを用意しましたが、相当気に入ってくれたようで結構な量を食べてくれました笑
在宅勤務になったよ!
職場のボスと義母の計らいで、一時帰国後から在宅勤務になりました!娘ちゃんも自宅のほうがお昼寝良くするし、ご飯時は毎回ディザスターなので在宅で働けて一安心です。最初はコネだし転職するかな~、と思っていましたが在宅で雇ってくれるところ探すの無理だし、もう転職のモチベはゼロです笑
いまは娘も2、3時間お昼寝してくれることもあるし、私の姿が見えなければひとりで遊んでくれるのでいいのですが、在宅で子供を見れるのって何歳くらいまでなのだろうか…。デイケアに入れると私のお給料が全部飛ぶので、Pre-Kまでは在宅がいいなぁと思いつつ、夫と日本帰国の話もしているので私のキャリアは迷子です笑
在宅勤務は嬉しいのですが、デイケアだったらお友達も先生もいるけど私が働いている間、娘はシナぷしゅ見てるか、イタズラしてるか、一人で遊んでるかなので、一緒にいるのにかまってあげられないのがちょっと心苦しい部分もあり…。でもたぶん娘は大きくなったら今の時期のことは覚えていないだろうし、あんまり悩んでもしょうがないかと考えるようにしています。
出産から一年経ったし、ベビーグッズの振り返りとかも書いていけたらいいなと思っています!!(いつになるかは分からないけど汗)
読んでくださってありがとうございます♡
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【洋書読書④-3】『Iron Flame』(The Eempyreanシリーズ2) ネタバレ要約&考察
こんにちは!
The Eempyreanシリーズの第3巻Onyx Stormの発売まであと数日…!
第2巻の『Iron Flame』ネタバレありの要約と感想・考察をどうぞ!

ネタバレ最小限のあらすじと感想記事はこちら👇
第1巻『Fourth Wing』のネタバレ満載の要約はこちら👇
*今回はガンガンネタバレしてるのでご注意!
第2巻『Iron Flame』ネタバレ要約
『アイアン・フレイム』は、ヴァイオレットが兄ブレナンが生きているという事実を受け入れるところから始まります。ブレナンは、友人でタルンの前ライダーでもある「ナオリンが自らを犠牲にして自分を救った」と告白。それからアレティアのドラゴンたちがブレナンとドラゴンを洞窟に隠し、その後ブレナンは偽名を使って革命軍の一員として活動し始めたのでした。
革命軍はゼイデンの生家【ライアーソン邸】を拠点に活動しており、ヴァイオレットはゼイデンとブレナンが参加していた革命軍の会議で、ヴェニンを倒すのに欠かせない”武器”について、そしてプロミエル王国のテカラス子爵との交渉につての議論を耳にします。この会議では、ヴァイオレットたちの処遇についても議論され、結果としてヴァイオレットたちはワイヴァーンやヴェニンとの戦いに関することの全てを隠してバスギアスに戻ることを指示されます。
This place is astounding. Half palace, half home, but entirely a fortress.
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
ヴァイオレットとゼイデンたちがバスギアスに戻ると卒業式が開かれており、死んだ思われていたヴァイオレットたちの帰還に動揺が広がります。そのうえ、ゼイデンはデインの父アエトス大佐が自分たちを”グリフォンとの”戦闘に放り込み、そのせいでリアムが亡くなり、ヴァイオレットが重傷を受けたことを明らかにします。ヴァイオレットの母リリスはまったく知らされていなかったと不満を示し、アエトスを非難します。一方のアエトスは体よくゼイデンたちを排除しようとした計画に失敗したうえ、リリスの怒りを買ったことからヴァイオレットたちを脅迫します。
“Secrets make for poor leverage. They die with the people who keep them.”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
その後ヴァイオレットは2年生に、ゼイデンは卒業して遠方サマラへの配属が決まりバスギアスを去ることに。しかし、タルンとスゲイルの絆の件もあってヴァイオレットとゼイデンは交代で毎週末互いに会いに行くことになりました。入れ替わるようにバスギアスにはアエトスの部下である冷酷なヴァリッシュ副指導官が。2年生には抜き打ちで過酷な生存訓練が実施されます。ゼイデンには革命に関わらないよう忠告されたものの、ヴェニン打倒のため、ヴァイオレットはバスギアスの歴史と魔法の防御壁について密かに調査を始めます。そんななか、授業中に1年生がヴァイオレットを襲撃。暗殺を試みたようでしたが、ヴァイオレットはなんとか撃退。しかし、一緒にアセバインで戦ったライダーたちも次々と標的となり襲撃され始めます。
“Secrets die with the people who keep them,” he whispers, bringing his nose an inch from mine. His eyes are light brown but rimmed in red as though he’s on some kind of drug.
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
一方、アンダルナは戦いの後、ドラゴンの成長には欠かせない【深い眠り】につき、いつ目覚めるか分からない状態に。ヴァリッシュはヴァイオレットにアンダルナを飛行訓練に召喚することを命令しますが、アンダルナとドラゴンたちの秘密を守るため、ヴァイオレットは命令に背きます。結果、ヴァイオレットは体力の限界までシグネットを使わされるという罰を受けることとなりました。ヴァリッシュは学生らに厳しい尋問訓練を行い、ヴァイオレットと仲間たちはバスギアスに対する不信感を高めていきました。
その後ジャック・バーロウの復活、ゼイデンの任地サマラの襲撃など、いくつかの予想外の出来事が起こります。かけがえのない友人たちに国を揺るがす秘密を抱えながら、ひとりで真実に立ち向かおうとしていたバイオレットですが、彼らにも知る権利があると、ついに近しい友人に最終訓練での出来事を打ち明けます。そこでリドックのひらめきから、最初の6人のドラゴンライダーが記した【手記】に、ヴェニンの侵攻を防ぐ魔法の防御壁に関わる重要な情報が記されているはずであることを思いつきます。そこでヴァイオレットの友人と仲間たち、そしてゼイデンは、バスギアスに隠された【ファースト・シックスの手記】を盗み出す作戦を実行に移します。
“What we really need is a primary source, and I doubt the First Six sat around writing books after they founded Basgiath. They were a little busy.” “Not too busy to keep personal journals.” Ridoc sets the dagger’s hilt in the center of his palm and tries to balance it. Our heads turn in his direction, and my heart threatens to stop.
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
念密な計画により無事に2つの手記を手に入れたヴァイオレットたちでしたが、ヴァリッシュによってヴァイオレットが1つの手記を持っているところを捕らえられ拷問されてしまいます。どんなにひどい拷問にも口を割らなかったヴァイオレット。5日目にしてついにヴァリッシュはデインを連れてきて記憶を盗むように命令します。最終訓練でデインが自分の記憶を盗み取っていたことに気付いて以降、幼なじみであったヴァイオレットとデインの仲は冷めてしまっていましたが、ヴァイオレットの記憶を見たことでデインは革命についての真実を知り、ヴァイオレットを救うべくヴァリッシュを攻撃。しかし、重傷のヴァイオレットを連れて警備の堅い牢出ることは不可能…。そんなとき、ヴァイオレットが行方不明になったことを知って駆け付けたゼイデンが登場。ヴァリッシュは命を落とし、無事ヴァイオレットを救出します。
I just killed the vice commandant of the quadrant. What the fuck am I supposed to do now? Go back to class?
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
ゼイデンはヴァイオレットの身に何かが起こったと知り、仲間たちと共に前哨地にワイバーンの死体を遺棄して撹乱させ、バスギアスの警備が薄手になったところでヴァイオレットを救出しに来たのでした。その隙にアレティアへ逃亡する算段でしたが、ヴァイオレットは「みんな知る権利がある」とバスギアスのライダーを集め、真実を告げることにしました。母リリスと短い別れをしたのち、革命を支持する教員を含むライダーとドラゴンたちはゼイデンやヴァイオレットと共にアレティアに移動し、ライアーソン邸に新たな拠点を設立することになったのでした。
I’d already lost one child keeping our borders safe, and I wasn’t willing to lose another. Why did you think I forced you into the Riders Quadrant?” “Because you think less of the scribes,” I answer. “Bullshit. The love of my life was a scribe.” Steadily, we climb, twisting along the staircase. “I put you into the Riders Quadrant so you’d have a shot at surviving, and then I called in the favor Riorson owed me for putting the marked ones into the quadrant.”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
革命軍の拠点であるライアーソン邸に落ち着いた学生と教員たちでしたが、しばらくしてドラゴンの一行が近づいているという一方が入り緊張が走ります。しかしそれはヴァイオレットの姉ミラを含む、前哨地に配属されていた革命に賛同したライダーたちでした。革命軍に参加したとはいえ、ヴァイオレットたちはまだ学生。ライアーソン邸でも学生たちはバスギアスと同じように授業を受けます。また、ヴァイオレットはシグネットの訓練にも励みます。
一方、ヴァイオレットはアレティアの魔法の防御壁の起動に失敗してしまいます。防御壁無しではヴェニンに対して丸腰のアレティア。せめてヴェニンに有効な武器を作ろうと、プロミエルの王位後継者で子爵のテカラスとの交渉により、【ルミナリー】を手に入れます、一方でテカラスは学校を失いトラカレスに匿われていたグリフォンフライヤーの学生をアレティアで受け入れる事を要求しました。
ゼイデンはナヴァール王国タイレンドール地方の後継者であり、プロミエル王国クロヴァ地方の後継者であるテカラスの姪でフライヤーのキャットはゼイデンのいいなずけでした。が、ゼイデンはこの政略結婚を拒否したためキャットはヴァイオレットを目の敵にします。キャットはスパーリングの授業で【感情を高める】能力を使ってヴァイオレットをぶちギレさせます。
フライヤーとライダーは因縁の相手。キャットとヴァイオレットのこともあって対立する両者でしたが、教員たちはこれではヴェニンに勝てないとして、フライヤーをライダーの隊に組み込むことを決定。一番実力のあるヴァイオレットたちの隊はルーンの実験的クラスを受けることになりました。
一方で、防御壁の立ち上げは難航。ヴァイオレットはデインと協力して手記を最初から翻訳することに。ヴァイオレットは防御壁の起動に必要なワードストーンが魔法を取り込むことを発見し、ゼイデンも協力して数週間かけてワードストーンを必要な魔力で満たします。ヴァイオレットは手記の翻訳の誤りを見つけ、正しい防御壁の立ち上げ方を発見したのでした。
The breath of life of the six and the one combined and set the stone ablaze in an iron flame.—THE JOURNAL OF WARRICK OF LUCERAS—TRANSLATED BY CADETS VIOLET SORRENGAIL AND DAIN AETOS
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
洞窟での訓練中、仲間たちとの会話の中でヴァイオレットはゼイデンが2目のシグネットを持っていることに気づきます。そんなとき、死んだヴァリッシュのドラゴン、シーラスがヴァイオレットたちを襲撃。一緒にいたサローンは触れたものの魔力を吸う【サイフォン】のシグネットを発現、アンダルナは「ドラゴンがドラゴンを殺める」という禁忌を犯してシーラスを殺します。何とか危機を切り抜けたヴァイオレットでしたが、2つ目のシグネットのことを隠していたゼイデンと言い争っている最中に、ヴェニンとワイバーンがアレティアに近づいてきていることを知らされます。ヴァイオレットたちは全6種のドラゴンにワードストーンに炎を吹かせて急いで防御壁を築き、ヴェニンは撤退。ゼイデンはヴァイオレットに、2つ目のシグネットが「発現したら処刑対象」である心を読む【インティンシック】の類であることを明かします。
Oh gods. There’s only one signet riders are killed for having.
“You’re an inntinnsic,” I whisper. Even the accusation is a death sentence among riders. “I’m a type of inntinnsic,”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
防御壁の起動後、すぐにアレティア革命軍の高官+ヴァイオレットとミラが、ナヴァールの高官たちとの交渉に呼ばれます。リリスはブレナンが生きていたことに驚きを隠せない様子でしたが、ヴァイオレットにアレティアの防御壁が完全ではないことを指摘し、ヴァリッシュから取り上げられたもう一つの手記を渡します。メレグレンは「国境付近の拠点でヴェニンに襲撃を受け、防御壁の一部が破られてヴェニンに負ける未来を見た」として革命軍に救援を求めるも、ナヴァール王国がこれまで周辺国を見捨ててきたということからアレティアの高官たちは多数決で救援を却下。しかし、ヴァイオレットはそれでは自分たちもナヴァールと同じではないかと反発。メレグレンの予知した戦いまであと数日という時、ヴェニンの目的は一部の防御壁を崩すことではなく、ナヴァール全土、そしてバスギアスのドラゴンの谷が危険に晒されることを見抜き、アレティア革命軍の決定に背いて仲間たちと一緒にナヴァールの救援に向います。
“If we don’t go, we’re no better than they are, leaving their civilians to die when we might be the very weapons they need.”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
バスギアスに着いてワードストーンを確認しに行くと、そこにはジャック・バーロウとそのドラゴン、ベイドがおり、ジャックはなんとベイドを殺害してワードストーンを破壊・無効化。ジャックがヴェニンであることが明らかになります。
防御壁が完全にが消えてしまったナヴァル。ヴェニンたちは拠点の襲撃をやめ、直接バスギアスに向かってきます。ヴァイオレットの母リリスは戦いに備えて作戦を練って学生らに指示を出します。そんななか、ナヴァルの救援に反対だったブレナンがフライヤーたちとともに援護にやってきました。ヴァイオレットの閃きでブレナンはワードストーンの修復にとりかかります。
ヴァイオレットたちライダーとフライヤーが戦力的に圧倒的に不利ななか、ついにやってきたヴェニン。リリスの指揮のもと、ヴァイオレットたちは応戦しますが、仲間のソイヤーが負傷。ヴァイオレットもヴェニンにやられそうになりますが、隠れていたアンダルナが初めて炎を吹き撃退します。
“I breathe fire.” She preens, flaring her wings.
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
ヴェニンの襲撃が直接バスギアスに向かったことを知ったメレグレンたちが拠点からバスギアスに戻ってくるとともに、ヴェニンの高官たちも押し寄せます。メレグレンとリリスはバスギアスを見捨ててドラゴンの谷の守備に徹する計画を立てるも、もう一つの手記の翻訳に取り組んでいた友人ジェスニアの指摘を受けて、ヴァイオレットはアンダルナと防御壁の秘密を知り、ワードストーンから手を引くべきではないと訴えます。一方でゼイデンはヴェニンの高官が自分を狙ってきていると主張。ヴァイオレットはワードストーン、ゼイデン・ターン・スゲイルはワードストーンを守るためヴェニンとの戦いに向かいます。
“I love you.” Oh… gods. No. I refuse to accept the goodbye in his tone. “You will stay alive,”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
ブレナンはワードストーンの修復に成功したものの、ワードストーンに込められた魔法は失われていました。ストーンを魔力で満たすには何人ものライダーが何週間もの時間をかける必要があり、ヴァイオレットは自分の命を犠牲にして魔力をみたそうとします。ヴァイオレットは、アンダルナが人間の知らない7種目のドラゴンであることを確認し、アンダルナは他の6種のドラゴンと共にストーンに火を吹いて防御壁の回復に協力することをヴァイオレットに約束します。
“If you didn’t figure it out, you weren’t worthy of knowing.” She huffs. “I waited six hundred and fifty years to hatch. Waited until your eighteenth summer, when I heard our elders talk of the weakling daughter of their general, the girl forecasted to become the head of the scribes, and I knew. You would have the mind of a scribe and the heart of a rider. You would be mine.” She leans into my hand. “You are as unique as I am. We want the same things.” “You couldn’t have known I would be a rider.” “And yet, here we are.”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
ヴァイオレットが命を掛けていることに気づいた母リリスはサイフォンであるサローンを説得し、ヴァイオレットの代わりに自分の力を全てストーンにこめ、死んでしまいました。
“You’re everything we dreamed you would be,” Mom says quietly, her skin paling even as Sloane’s flushes scarlet. “All three of you.” She looks down at Brennan. “And I’ll get to see him soon.”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
リリスの犠牲のもと、無事障壁が復活してワイバーンは死にヴェニンは逃走。ヴァイオレットは母の死に悲しみに暮れるも、ゼイデン・ターン・スゲイルが生き抜いたことを知り、ゼイデンのもとに向かう。しかし、そこで待っていたのはヴェニンになってしまっていたゼイデンでした。
“I told you once that you’d turn for love,” he says, holding his arms out. “And so you shall.”
—『Iron Flame: (The Empyrean Book 2)』Rebecca Yarros著
第2巻『Iron Flame』ネタバレ感想
えーーー、ゼイデン!?えええええ!!というクリフハンガーな終わり方でした…。
まだまだ明らかにされていないこともたくさんあるなかで、前作からの疑問の答え合わせもある今作でした。人間はもちろん、ドラゴンの間でも秘密があって、タルンがアンダルナの秘密を知った今、どんな反応をするのか気になります。ゼイデンの2つめのシグネットも知らされてなかったタルンはスゲイルに怒ってましたね…。
一方で、ハリポタとの類似点も面白かったです。ジャック・バーロウは完全にマルフォイだし、ヴァリッシュはドローレス・アンブリッジ笑 でもそれだけではなくて、死の秘宝のお話に出てくる3兄弟はまさに ドラゴンライダー/グリフォンフライヤー/ヴェニン。またヴァイオレットも3兄妹なのも興味深いですね。ブレナンに関しては、手にルーンの跡がついていてなんだか怪しい…。
一見冷徹で自らの子にも容赦ない将軍であるリリスですが、今作で子供たち、そして亡き夫への深い愛があったことが分かりました。分かり合えなくても、生きててくれればそれでいいと自分を犠牲にする姿に胸をうたれました…。
前作でも後半から出てきたのに圧倒的いいやつ感でみんなの心をわしづかみにして散っていったリアム…ヴァイオレットの拷問のシーンでは、胸がきゅっとなりました。妹サローンのヴァイオレットに対する態度の変化も読んでいて印象的です。
どんどんシリアスな展開になっていくシリーズですが、前作と変わらない明るさで笑わせてくれるお笑い担当:リドックはサイコーですね笑 家族・恋人だけじゃなくヴァイオレットの仲間たちもより物語を面白くしてくれています。
感情を取り繕うのが上手いゼイデンも、ヴァイオレットが死にかけてからはためらいなくバイオレットへの気持ちを表現。キャットの登場に動揺するヴァイオレットにもまっすぐに気持ちを伝えていたのがよかったです。
そして、デイン。前作から株価暴落の彼、ヴァイオレットの仲間たちからもぞんざいに扱われていてちょっとかわいそう…。でもワードストーンでもヴァイオレットを助けたし、根は悪くないやつのはず。次作の活躍に期待です!
第3巻に向けての謎
ヴェニンの目的とは
ゼイデンとヴァイオレットはそれぞれに夢を通じてヴェニンの将軍からメッセージを得ていたことが分かりました。愛のため「ゼイデンはヴェニンになる」、「ヴァイオレットは魔法の防御壁を破る」ということで、実際にゼイデンはヴェニンになってしまいました。
また、ヴェニンの将軍はヴァイオレットを生きて捕獲することを命じていました。彼らの目的はヴァイオレットが初めて対面したヴェニンが言っていた通り、ヴァイオレットのシグネットではないかと思います。
ヴァイオレットのシグネット
しかし、ここで面白いのはヴァイオレットのシグネットについて「雷を操る力」ではなく、「空を操る力」という言及があることです。
“Such untapped power. No wonder we were called here. You could command the sky to surrender all its power, and I bet you don’t know what to do with it, do you?
“It’s you,” the dark wielder says over the growing noise of the storm. “The one who commands the sky.”
I am the sky and the power of every storm that has ever been.
シグネットはライダーの潜在的なニーズを体現するもの。ヴァイオレットが暗闇を恐れている描写が度々あるので、光である雷を操るのは必然的に感じられますが、雷はその一部でヴァイオレットのシグネットにはさらに伸びしろがあるのではないかと思います!
さらに、ヴェニンの起源は「空を操る」ことにあるとされている点も面白いですね。
But it was the third brother, who commanded the sky to surrender its greatest power, who finally vanquished his jealous sibling at a great and terrible price.
ヴァイオレットはなにがそんなに特別なのか
“I’ll never know why it’s you he wants. What the fuck makes you so special?”
一作目ではヴァイオレットの髪色についてたくさん言及されています。毛先が銀髪なヴァイオレットの髪は他には見られません。また、リリスがヴァイオレットを妊娠している時に病気にかかったということでしたが、これは病気ではなくて、ヴェニンと戦闘になって力を吸われてしまった可能性も?関節が弱いこともこれに関係しているのかもしれません。
また、タルンはヴァイオレットを”Silver one”、アンダルナを”Golden one”と呼んでいたことも対比になっていて興味深い所です…。
敵はもう入り込んでいる?
ジャック・バーロウが言ったとおり、ナヴァールにはすでにヴェニンの手先が入り込んでいるようです。アエトスがヴァイオレットと反逆者の子供たちに暗殺者を送っているのは確実ですが、気になるのは暗殺者の赤い目。彼らがヴェニンだとすると、アエトスとヴェニンの関係とは…?
また、絆を結びたがるドラゴンの数が減っているという点も気になります。今回ジャックが自分のドラゴンを操ったのちに殺してしまったことからも、ライダーがヴェニンになってしまうとドラゴンの命にかかわるのは間違いなく、そのためにドラゴンは「絆を結ばない」という選択肢を取っているのではないのでしょうか?リリスがノーランにジャックの治療を命じていたのも、実際にライダーがヴェニンになってしまっている事例があるからなのでしょうか…。フライヤーたちに比べてライダーの試験や訓練が命がけなのも、ヴェニンになってしまう人間を出さないためなのかもしれません。
アンダルナの種族の秘密とは
作者のレベッカ・ヤロスはアンダルナの秘密はカモフラージュ以外にもあると発言しています。次作ではいったい何が明かされるのでしょうか…?
荒野(バレン)が故郷?
It was never our continent. From the very beginning, it was theirs, and we were simply allowed to live here.—THE JOURNAL OF WARRICK OF LUCERAS
全部で6種いるとされていたドラゴン、ナヴァール王国ができる前は大陸全体に種族ごとに孵化する土地をもっていたのではないのでしょうか。タルンによればアレティアはブラックドラゴンの土地でした。そうなると、アンダルナの種族の土地はヴェニンが住む”荒野”にあったのではないでしょうか?アンダルナは「孵化するまで650年待った」と言っており、ヴェニンが7種目のドラゴンの土地から力を吸いつくして絶滅まで追い込んだと考えると、なぜアンダルナ一頭しかいないのかということも説明が付きます。
ゼイデンは元に戻れるのか
最後のジャックの発言から、いまのところヴェニンになってしまった人間を治す方法はないとされています。スゲイルはどうなってしまうのか…。
ゼイデン-スゲイルとヴァイオレット-タルンの絆
1作目でさんざん言われていた「ヴァイオレットが死ぬとゼイデンも死ぬ」説ですが、ヴァイオレットはアンダルナと絆を結んでいるので、ゼイデン・スゲイル・タルンに何かあっても死なないのではないかと思います。ヴェニンが万が一、アンダルナの種族の絶滅に関わっているのだとしたら、アンダルナはヴェニンにとって天敵であるのかもしれません。
2つめのシグネット
ヴァイオレットの2つ目のシグネット
作者のレベッカは2作目でヴァイオレットの2つ目のシグネットが発現していると明かしており、トゥルースセイヤー(真実を話させる能力)、ディスタンスウィールダ―(長距離を一瞬で移動する能力)、グラヴィティウィールダー(重力を操る能力)、アンプリファイヤー(能力を増幅させる能力)など、様々な憶測が飛び交っています!
1作目の中でもヴァイオレットの最初のシグネット(雷を操る能力)についてはたくさんのほのめかしがされており、複数回読むと「なんで初めて読んだときに分からなかったのだろう…」というくらい明白です。
私は2作目の『Iron Flame』を2回読んだのですが、予私の想はCompulsion(強制力)です!
というのも、2作目ですごく引っかかる部分があって、それがコーダと会話するシーン。年配のドラゴンは卵の時点でそのドラゴンが何色のドラゴンになるかわかるということなので、コーダはアンダルナの正体を卵の時から知っていました。アンダルナとワードストーンの秘密について、大陸で一番強力なドラゴンにヴァイオレットは果敢にも尋ねます。コーダとの会話は詳しく記されていないのですが、絆を結んでいないドラゴンとは会話をしてはならないのがルール。それができるのは、ヴァイオレットのシグネットが関係しているのかもしれません。
そのほかにも、アレティアでヴァイオレットがシグネットの訓練を受けているときに教官がヴァイオレットに対して「ゼイデンを使った(wielded)」っていうんですよね。
さらには、リリス・ミラ・ブレナンとのシーンでヴァイオレットが「10歳に戻ったよう」と感じる瞬間が何度かあって、周りの人間に意見を聞いてもらう必要性にマッチしたシグネットでもあるんじゃないかなと思いました。
ゼイデンが何度も「秘密を知りたいなら正しい質問を聞けばいい」というのも、ヴァイオレットの2つ目のシグネットを知っているからなのではないでしょうか?
スゲイルはなぜ以前のライダーの直系の子孫であるゼイデンと絆を結んだのか
アレティアの洞窟でのシーンで「直系先祖のライダーと同じドラゴンと絆を結ぶとそのライダーは正気を失うか、2つ目のシグネットを得る」ということが説明されています。しかし、ナヴァールがライダーや国民にヴェニンの存在を隠していたように、この情報も嘘である可能性があるのではないでしょうか?
気になる未登場人物
ナオリン
you have to understand where your enemies—your friends—are most vulnerable. No one stays friends forever, Mira. Eventually those closest to us become our enemies in some way, even if it’s through well-intentioned love or apathy, or if we live long enough to become their villains.
ブレナンの生存に深くかかわっているにもかかわらず、その時の様子やナオリンの詳しい人物像については明かされていません。
タルンの元ライダーでもあり、サイフォンの能力をもっていたナオリン。ブレナンを生き返らせるためにヴェニンになってしまったのではないかと疑っている読者もいるようです。また生き延びた(生き返った?)ブレナンの手にはルーンの模様があり、ブレナンがヴェニンであるという人もいます。
ゼイデンのママ
ライアーソン家に世継ぎを産むための政略結婚で、ゼイデンが10歳までは契約のもと一緒に過ごしていたとゼイデンが話していました。それならば彼女はいったいどこに行ってしまったのか?また、ゼイデンは母の手作りのブランケットを今でも大事にとっているようです。そんな愛情深い母親がどうして子供を置いていってしまうのでしょうか?
ライアーソンが身分のある家であることから、島の王国の出身ではないかとの推測もあります。
ゼイデンのおじいちゃん
スゲイルのライダーだったが、卒業できずに亡くなっているとされています。反乱・革命を起こした息子・孫を持つ彼が卒業できずに亡くなるのはちょっと怪しい…。私はヴェニンになってしまったのではないかと疑っています!
ヴァイオレットのパパ
亡くなっているので登場することはないと思いますが、詳しいことが書かれていないのは確か。ヴァイオレットに禁書の童話を手紙と共に残したり、最初のライダーの手記を翻訳することが必要になると分かっていたかのようにヴァイオレットに古代語を教えていました。リリスがヴァイオレットをライダーにしたかったのは、パパが書記官としてヴェニンの真実を知って暗殺されてしまったからではないのでしょうか?
ゼイデン視点のボーナスチャプター
作者レベッカ・ヤロスのホームページには、ゼイデン視点で描かれた3つのボーナスチャプターがあります。ヴァイオレットとの恋愛模様やスゲイルとの会話、デインへの感情など面白いのはもちろん、革命に関わるミッションやイモジェンのシグネットについてなど、今後の展開にとっても重要な情報も知ることができます!
すべて第1巻からのチャプターなので日本語翻訳版しか読んでいない方も楽しめると思います。無料でダウンロードできますよ!
第3巻の『Onyx Storm』の発売まで残りわずか!
作者のレベッカのインスタグラム。新作の一部と思われる画面が映った写真には小さな文字で「ズームしないで。恥ずかしい!」と書いてあります。おちゃめ笑
おもしろくて一気に読むと内容をすぐ忘れてしまうので、今回は自分への忘備録という意味も含めてまとめてみました。第3巻の『Onyx Storm』は火曜日の発売。来週は睡眠不足の1週間になりそうです笑
ネタバレ爆弾を食らいそうなので読み終わるまではインスタグラムも開けないようにします!楽しみ!!
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【洋書読書④-2】『Fourth Wing』(The Eempyreanシリーズ1)ネタバレ要約
こんにちは!
気づいたらサンクスギビング、クリスマス、お正月全部過ぎて新年になってました爆
The Eempyreanシリーズの第3巻Onyx Stormの発売まであと数日…!
その前に、シリーズ第1巻『Fourth Wing』と第2巻の『Iron Flame』ネタバレありの要約と感想・考察を書いておこうと思います。長いのでまずは第1巻『Fourth Wing』のネタバレ要約からどうぞ!

ネタバレ最小限のあらすじと感想記事はこちら👇
ネタバレ満載の第2巻『Iron Flame』の記事はこちら☟
*今回はガンガンネタバレしてるのでご注意!
第1巻『Fourth Wing』(ネタバレ要約)
姉ミラと別れたあと、因縁のゼイデン・ライアーソンと対峙し、サイコパスのジャック・バーロウに「弱そうだから」という理由で突き落とされそうになりながらも、なんとかパラペットを渡り切ったヴァイオレット。無事、幼馴染のデイン・アエトスと軍事学校のバスギアスで再会し、彼の計らいで道中に出会ったリアノンと共にデインの分隊に配属されます。ほっとしたのもつかの間、ゼイデンがウィングリーダーをしているフォースウィングの分隊のひとつとデインの分隊が入れ替えとなり、ヴァイオレットはゼイデンの直属となってしまいました。
身体も小さく関節が弱いヴァイオレットは、ゼイデンと同じく反逆者のしるしを持つイモジェンに【スパーリング】の授業で肩を外され腕をへし折られてしまいます。ヴァイオレットの身を案じてデインは彼女に安全な書記官科へ移るよう説得しますが、ヴァイオレットは母リリスが見逃すはずがないと反論。顔見知りのメンダーのノーランに治療してもらい自分のベッドに戻ると、姉ミラの手紙と共に亡き兄ブレナンが残したバスギアスで生き残る術が記された秘密のノートを見つけます。ヴァイオレットはこのノートに助けられながら知恵と機転を効かせてスパーリングを何とか乗り越えていきます。
ある晩ヴァイオレットは反逆者の子供たちがルールを破って秘密裏に集まっているのを目撃。息を潜めていたものの、ゼイデンに見つかってしまいます。いつ殺されてもおかしくないというヴァイオレットの憂いとは裏腹にゼイデンはヴァイオレットを見逃します。
続く障害物コース【ギャントレット】の授業では、低身長が原因でどうしてもゴールができないヴァイオレットでしたが、ゼイデンからのアドバイスに閃きを得て テスト当日は巧妙にクリアします。
“The right way isn’t the only way. Figure it out.”
—『Fourth Wing: (The Empyrean Book 1)』Rebecca Yarros著
別のウィングリーダーでデインの”友だち”でもあるアンバー・メイヴィスにズルだと非難されますが、ここでもゼイデンがヴァイオレットをフォロー。一方のデインはヴァイオレットがルールを曲げてゴールしたことに喜んではいない様子…。ギャントレットを生き抜いたヴァイオレットたちは、ドラゴンが残った学生を品定めする【プレゼンテーション】へ向かいます。ヴァイオレットたちがヴェニンやワイバーンなどの寓話の話をしながら恐ろしいドラゴンたちを観察して進んでいると、一頭だけ金色の珍しい小さなドラゴンが。サイコパス野郎ジャックの友人タイナンはそれを見て「弱いヴァイオレットとお似合いだ」とからかいます。
“You should totally bond it, Sorrengail. You’re both freakishly weak. It’s a match made in heaven.”
—『Fourth Wing: (The Empyrean Book 1)』Rebecca Yarros著
そんなこんなでドラゴンとの絆を結ぶ【スレッシング】まで生き延びたヴァイオレット。しかし、ジャックとその友人たちがあの小さな金のドラゴンを「弱そうだから」という理由で殺そうとしていることを盗み聞きします。いてもたってもいられず金色のドラゴンを守ろうとしますが、ケガを負っているうえに三対一。そこにゼイデンと彼のドラゴンスゲイルが現れ助けようとするものの、スレッシングには干渉してはならない決まり。
“No, but I can narrate,” Xaden retorts.”
—『Fourth Wing: (The Empyrean Book 1)』Rebecca Yarros著
危機一髪、というところでスゲイルのつがいで強力なブラックドラゴンであるタルンが現れてタイナンは焼き殺されます。ヴァイオレットはタルン、そして金色の小さなドラゴンであるアンダルナの両者と絆を結び、史上初の二頭のドラゴンのライダーとなりました。
ライダーとなったヴァイオレットですが、華奢な彼女を殺害して強力なタルンと絆を結びたい、と画策するドラゴンと絆を結べなかった学生たちから標的となります。(ドラゴンと絆を結べなかった学生らはもう一度一年生をやり直すことになる…)ジャックの友人オレンもその一人。ウィングリーダーのアンバーの助けを得たオレンとその一味はヴァイオレットの寝込みを襲いますが、アンダルナの時間を止める能力によってゼイデンがすんでのところで助けに入り、暗殺者を皆殺しに。ほかに例のないアンダルナの能力を知ったゼイデンは、ヴァイオレットを連れてタルンとスゲイルに話を聞きにいき、実はアンダルナはまだ孵化して2年目の幼い竜であることが発覚。タルンはほかの人間にアンダルナの正体をばらさないようくぎを刺します。ヴァイオレットはどうせ信じてもらえないだろうと思いながらもゼイデンに暗殺未遂を裏で操っていたのはアンバーだと告白。すると、予想に反して彼はヴァイオレットを信じ、アンバーは処刑されることになったのでした。これを機にヴァイオレットとゼイデンとの関係が深まった一方で、デインとの関係には溝が深まることとなりました。
you’re about to be some of the bullshit that this place cuts away from me.”
—『Fourth Wing: (The Empyrean Book 1)』Rebecca Yarros著
タルンとスゲイルがつがいであることから、ヴァイオレットが死ぬとゼイデンも死んでしまう可能性があるため、暗殺未遂事件後、ゼイデンはヴァイオレットの学年でで最強のリアム・マーリをボディーガードとしてヴァイオレット付けることにしました。最初はうざがっていたヴァイオレットでしたが、正直で愛嬌のあるリアムはヴァイオレットと分隊の仲間たちにすぐに馴染み、よい友人となったのでした。
他のライダーが特殊能力であるシグネットを次々と覚醒させていくなか、シグネットがなかなか顕れず、いつか能力が暴発してしまうのではと心配していたヴァイオレット。ある晩、絆を通じてタルンとスゲイルに影響されてゼイデンとキスをしてしまいますが、ゼイデンはこれはヴァイオレットだけの感情ではないとヴァイオレットを諭すのでした。
リアムの活躍もあり、ヴァイオレットの分隊は様々な試練に勝ち抜き褒賞として前哨地への遠征へ行くことへ。そこでヴァイオレットは姉のミラと再会。ミラの協力もあり、前哨地の近郊に住むリアノンの家族へこっそり会いに行きました。そこでミラが国境の外を飛ぶドラゴンの一団を見たという話をヴァイオレットは聞くのでした。そんなところにタルンを追ってやってきたスゲイルとゼイデンに出くわします。ゼイデンがやって来たことが面白くない様子のデイン。ミラがゼイデンとデインに上官として説教をしているところに、グリフォンの急襲の知らせが入り、急きょ学生ライダーたちはバスギアスへの帰路に就くことに。ヴァイオレットは泣く泣くミラを残していくことになりました。
どんなに体を鍛えても、飛行中に巨大なタルンにまたがっていられない華奢なヴァイオレット。ゼイデンはミラに言われたとおりヴァイオレットが騎竜できる方法を模索し、タルンと協力してハーネスと鞍を用意して無事にヴァイオレットは安心して飛行することが出来るようになります。そんな中で訓練中にジャックがリアムを殺そうとしたとき、ついにヴァイオレットのシグネット(特殊能力)である「雷を操る力」が発現し、戦いでジャックを殺します。
そうしてやってきた最終訓練… デインの父親がヴァイオレットと仲間たちを国境外での任務に派遣したことで、デインがバイオレットの記憶を盗み読んでいたことが発覚。さらにヴァイオレットはゼイデンが敵であるプロミエル王国のグリフォンフライヤーたちにナヴァールの武器を密輸していることを知り、裏切りと疑念を抱きます。結果、神話上の存在と信じられていた「ワイバーン」や「ヴェニン」との死闘に巻き込まれ、彼らは生き延びるために戦わざるを得なくなります。この戦いで、親しい友人リアムが命を落とし、ヴァイオレットも毒が塗られた刃で重傷を負います。
瀕死の状態から意識を取り戻したヴァイオレットは反乱で破壊されたはずの都市アレティアにおり、さらにそこには5年前の反乱で亡くなったはずの兄ブレナンが。ヴァイオレットの命を救ったのはメンダー(修復士)のシグネットを持つブレナンだったのでした。
こうしてヴァイオレットは、ゼイデンとブレナンが関わる反乱革命について新たな真実と向き合うことになるのでした。
“Brennan?” She stares at her brother in open-mouthed shock. Brennan just grins and opens his arms. “Welcome to the revolution, Violet.”
—『Fourth Wing: (The Empyrean Book 1)』Rebecca Yarros著
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【洋書読書④】『Fourth Wing』(The Eempyreanシリーズ1)
こんにちは!
アメリカ南部もだいぶと秋めいてきた今日この頃。
秋といえば読書ですね!実はポッドキャスト『毒舌アメリカンライフ』、幻の第一回から聴いてる古参リスラーなのですが、先日私が大好きなジャンルであるロマンタジーの本を紹介していたので読んでみました。
面白すぎて一気に読んでしまいました!!第3巻が年明けに発売されるので、備忘録として残したいと思います。この記事ではできるだけネタバレせずに書いていきますが、第2巻の『アイロン・フレイム(Iron Flame)』の記事ではガンガンにネタバレ書いていきたいのでご容赦ください!
もう一度読み返す予定なのでまた加筆するかもしれません。

9月に日本語版が出版
レベッカ・ヤロス著のこの作品、本国アメリカでは2023年の5月に発売されてから400万部を突破しており、ニューヨークタイムズ紙でベストセラ―に選ばれています。5部作の予定で、第2巻のアイロン・フレイム(Iron Flame)は2023年11月に発売されました。
翻訳本はKindle版がなかったので私はオリジナルの英語バージョンを読みましたが、面白すぎて一気読み…読む手が止まらず2巻も一気に読んでしまいました汗
あらすじ
竜の騎手たちが魔法の力で国防を担う国ナヴァール。
書記官を目指していた二十歳のヴァイオレットは、軍の司令官である母親の命令で
バスギアス軍事大学に入学して騎手を目指すことに。
だがそこは、入学者の大半が命を落とす死と隣り合わせの場所だった。
そんななか、第四騎竜団(フォース・ウィング)の団長ゼイデンに、
ヴァイオレットは強く惹かれていく。何重にも絡みあった因縁の宿敵である彼に……。
彼女を待ち受ける極限状態での恋、友情、そして命懸けの戦いの行方は――。
主人公は華奢で関節が弱く、体育会系とは言い難いヴァイオレット・ソレンゲイル。亡き父と同じように書記官になることを夢に学勉に励み、書記官として将来有望視されていた。
しかし、ドラゴンライダー(竜騎士)で軍の指揮官でもある冷徹で厳しい母リリスによって「ソレンゲイルはみなライダーだ」と、ドラゴンライダーを育てる学校へ入るよう強要される。同じく騎士で軍に所属する姉のミラは「ヴァイオレットは身体が弱く、バスギアスで生き抜くことはできない」と必死に母の説得を試みるものの失敗に終わる。
そんな中やってきた入学試験当日、ミラはヴァイオレットがバスギアスでどうにか生き残れるようにライダーであった亡き兄ブレナンが残した秘密のノートをヴァイオレットに譲り、「フォース・ウィングのウィングリーダーであるゼイデンには絶対に近づくな。幼なじみのデインを頼れ」と忠告するのだった。
バスギアスを出るには二つに一つ。卒業するか、死ぬか……。
残酷にも、命を懸けてライダーとなるしか生きる道が無くなってしまったヴァイオレット。様々な思惑が交差するバスギアスで果たしてドラゴンと絆を結ぶことができるのか…!
世界設定
フォースウィングの世界は、2つの王国:ナヴァールとポロミエル、そして広大な荒野(バレン)でできており、ナヴァールとポロミエルは400年もの間にわたって戦争状態となっている。ドラゴンとドラゴンライダーを有するナヴァールに対し、ポロミエルはグリフォンと”フライヤー”を有する。ナヴァールは王国自体が魔法の防御壁でおおわれており、グリフォンの侵入を防いでいる。
ドラゴンたちは人間に干渉されることを嫌い、自ら独自統治をしているが、詳しい実態は分かっていない。そんなドラゴンたちが 人間と絆を結ぶのは”ドラゴンの谷”を敵から守るため。
ライダーはドラゴンと絆を結ぶとドラゴンの魔力によってそれぞれ特殊な能力(シグネット)が覚醒する。この能力はドラゴンではなくライダー側の潜在的な力を引き出すもので、同じドラゴンと絆を結んでも同じ能力が覚醒するとは限らない。また、ドラゴンたちはテレパシーで意思疎通をするが、絆を結んだ人間ともテレパシーで会話をすることができる。ライダーとドラゴンの絆は強く、ドラゴンが死ぬとそのライダーも死んでしまう。時にはライダーの死によってドラゴンが死んでしまうこともある。

バスギアスとは
主人公たちが暮らすナヴァール国のウォー・カレッジ。
書記官科(Scribes)、治療師科(Healers)、歩兵科(Infantry)、そして騎手科(Riders)の4つの部門からなる。3年制。
ライダーはその栄誉と社会的地位の高さから特に人気のある部門ではあるものの、卒業までに3/4が命を落とすと言われている。
ライダー部門は4つのウィングに分かれており、それぞれのウィングは3つのセクション(部隊)、セクションは3つのスクアッド(分隊)からなる。
入学試験に合格すると士官学生となり、1年次にドラゴンと絆を結ぶことができると晴れてライダーとなる。
ゼイデンとソレンゲイルとの因縁
最高学年に所属するゼイデンは、4つある“ウィング”のうちのひとつ、フォースウィングのウィングリーダー。7年前に起きた反乱軍の主導者の息子。処刑された反乱軍を親に持つ孤児たちのリーダー的存在。反乱軍の孤児は107人おり、最年長だったゼイデンは彼らの命を救うためリリスと取り引きをし、処刑を免れる代わりにバスギアスでライダーとなるため命をかけることが許された。彼らはみな独特なレリック(しるし)が体に刻まれている。
一方、ヴァイオレットの兄ブレナンはこの反乱軍との戦いで、ゼイデン父の手によって命を落としている。有能なメンダー(修復師)であった兄はライダーとして将来を有望視されていたが、彼の死によってヴァイオレットの父も病状が悪化し兄の死からほどなくして亡くなった。冷徹な母リリスでさえもブレナンの死は相当堪えていたようである。
親を目の前で処刑された反乱軍孤児たちにとって、ナヴァール軍の指揮官を親にもつヴァイオレットは決して相容れない相手であり、ヴァイオレットにとってゼイデンは亡き兄の仇である。
見どころ
ハリポタ感
寮生活をしながら魔法(だけじゃない)を学ぶというのはまさにハリーポッターの世界のよう!そこには友情と恋もありながら、だれが敵かも分からない…ハリーポッター以上にみんなが命懸けのハラハラ感があります。
メインの登場人物たちはみんな20代前半なので子供っぽ過ぎないのも◎。魔法も出てくるファンタジーですがけっこう武闘系でアクションシーンもたくさんあります。
そしてか弱いヴァイオレットを目の敵にしているジャック・バーロウのマルフォイ感がなんといえない!笑
意思疎通できるドラゴン
House of the Dragonに出てくるドラゴンたちと同様にように、強靭で恐ろしい存在でありながら、絆を結んだドラゴンとは会話ができます。時には若いヴァイオレットを導きつつも、皮肉ったりおちょくったり、人間味があるタルン。一方でヴァイオレットを脅かす存在には容赦なし!
秘密に次ぐ秘密
軍の指揮官を親にもつヴァイオレット視点で描かれるこの物語ですが、1巻目からヴァイオレットのアイデンティティを揺るがすような大きな秘密が明かされます。2巻目も驚きの事実が満載ですが、ちゃんと1巻目に伏線が散りばめられていて、何度も読み返したくなる作品です!
私の感想
ファンタジーなので独特な表現はあるものの、展開もテンポよく英語でも読みやすい面白さがありました。
バキバキの体育会系の中でひとり頭脳派のヴァイオレット。ライダーとなるためならどんなことも厭わない学生たちに混じって垣間見えるヴァイオレットの優しさ、どうにか生き残りをかけてサバイブしていく様子がユニークでありながら、身体的能力だけじゃなく、主人公のどんな逆境にも負けない精神的な強さに惹かれます。
そして、複雑なゼイデンとの関係の変化と恋愛模様も大いに楽しめました!
ただのファンタジー学生ロマンスかと思いきや、本を読むにつれスケールの大きなストーリが明かされていきます。信じていた世界が覆されたとき、ヴァイオレットはどのように行動していくのか…。
先入観なしに読んでほしいのであまりネタバレしたくなかったのですが、主人公のヴァイオレットがドラゴンと絆を結ばないとストーリが進んでいかないのでそこはネタバレ許してください…!
ただし、ヴァイオレットとドラゴンとの絆が結ばれる過程は、他のライダーたちとは一味違ったものとなっています!ぜひ読んでみてください。
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