アメリカ南部で田舎暮らし

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【洋書読書①】2022年に沼った洋書:フィーバーシリーズ

こんにちは!

もともと読書好きだったのですが、Kindleを手に入れてから洋書にも手を出し、漁るように読むものの記憶が残らないので、特に面白かったものをブログで残すことにしました!

 

今回は私が今まで読んだ洋書の中で最長のシリーズ、フィーバーシリーズを紹介します。

ハリーポッタートワイライトシリーズが好きな方には特にオススメです!

 

°˖✧目次✧˖°

 

いろいろあって一旦『アウトランダー』を読み進めるのは諦め、新しくスコットランドが舞台の海外小説を探していて出会ったのがカレン・マリー・モニング(以下KMM)のハイランダーシリーズBookoffで全巻まとめ買いしました~。

このハイランダーシリーズは8巻構成ですが、1巻ごとに完結しているのでどれから読んでも問題はないですが、何となくつながっているのでどうせ読むなら順番に読むのがおすすめ。全部ハッピーエンドです♡

KMMの本は読みやすくてめっちゃ面白かった!早々に読破したので、KMMの他の本を探していたところ、別シリーズがあることを知りました。

それがこちら☟

 

カレン・マリー・モニング(KMM):フィーバーシリーズ

フィーバーシリーズの舞台はスコットランドではなく、アイルランドダブリン。主人公はアメリカ南部出身のマッケイラ(通称マック。私の夫もアメリカ南部出身なのでちょっと親近感。興味がわいたので読んでみました。

 

あらすじ

アメリカの田舎町に住む女性マッケイラは、アイルランドに留学中の姉が何者かに惨殺されたため、ダブリンへ飛んだ。そして書店を経営する謎めいた男バロンズと出会い、驚くべき事実を知る。それは、ダブリンには人間になりすました邪悪な妖精たちが徘徊していることと、マッケイラには妖精の真の姿が見える特殊な能力が備わっていたこと。姉の死にも妖精が関係しているらしい。姉の無念を晴らすには、マッケイラと同じ能力を持つバロンズに協力して、妖精たちと戦うしかなかった…。全米を席巻した話題騒然のロマンティック・ファンタジーいよいよ登場。

― Amazonより

 

マックの姉アリーナは死の直前に「【シーサドゥ】を見つけなければならない」とマックに留守電を残していました。マックは偶然見つけた書店 バロンズ・ブックス・アンド・ボーブルズ(通称:BB&B)で【シーサドゥ】について尋ね、バロンズと出会います。それからマックは自分が特別な力をもつ【シーシアー】であり、【シーサドゥ】は特別な本であることを知らされます。【シーサドゥ】を手に入れるという同じ目的の元、2人は協力することにしたのでした。

 

これまでのKMMの作品と比べると結構ダークで一巻目はロマンス少なめですが、シリーズを通してちゃんとロマンスあります。そしてサスペンス要素もあって面白いです。

日本版だとアマゾンのレビューが8件しかないのですが、原作(英語版)は4,000件近くあり、世界最大の本のレビューサイト”goodreaders”では17万件以上のレートがついている大人気のシリーズです。

 

タイトルについて

ちなみにフィーバーシリーズとあるように、このシリーズは原作の本たちのタイトルに”Fever”が付きます。第一巻は”Darkfever”というタイトル。それがなぜ『妖しき悪魔の抱擁』になるのか…。映画もそうですけど、日本版のタイトルって、ダサいですよね。読んでも『妖しき悪魔の抱擁』の意味は分かりませんでした!妖精は出てきますが、悪魔は出てきません!

 

またぶち当たった海外小説あるある

冒頭で翻訳が途中までしかなかったアウトランダーシリーズの話をしましたが、なんとこのフィーバーシリーズも翻訳が途中までしかない…!

 

一応Wikipediaによるとフィーバーシリーズは5巻らしい。

KKMの日本のWikipedia

フィーバー シリーズ[編集]

# 邦題 原題 刊行年月
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社
1 妖しき悪魔の抱擁 Darkfever 2006年10月 2009年7月 柿沼瑛子 ヴィレッジブックス
2 悪しき妖精たちの吐息 Bloodfever 2007年10月 2012年6月
3 闇の王子と求め合って Faefever 2008年9月 2013年9月
4 聖なる槍に導かれ Dreamfever 2009年8月 2015年2月
5   Shadowfever 2011年1月      

 

ラスト1巻だったら読めるか~!と思って5巻は原作の英語で読んでみる事にしました。ちょうどバレンタインデーにkindle端末を夫からプレゼントしてもらったのでkindle版を購入!

だったはずが…5巻で全然終わらない!笑Wikipediaを信じた私がいけない

結局、シリーズは全11巻の超大作でした笑

 

KMMのアメリカのWikipedia

Fever Series[edit]

  1. Darkfever (2006/Oct) ISBN 978-0-440-24098-3
  2. Bloodfever (2007/Oct) ISBN 978-0-440-24099-0
  3. Faefever (2008/Sep) ISBN 978-0-440-24439-4
  4. Dreamfever (2009/Aug) ISBN 978-0-385-34165-3
  5. Shadowfever (2011/Jan) ISBN 978-0-385-34167-7
  6. Iced (2012/Oct) ISBN 978-038534440-1
  7. Burned (2015/Jan) ISBN 978-0-385-34441-8
  8. Feverborn (2016/Jan) ISBN 978-0-385-34442-5
  9. Feversong (2017/Jan) ISBN 978-0-425-28435-3
  10. High Voltage (2018/Mar) ISBN 978-0-399-59366-6
  11. Kingdom of Shadow and Light (2021/Feb) ISBN 978-0-399-59369-7

2006年から始まったフィーバーシリーズ、最終巻は2021年に出版されたばかり!完結してるだけよかった〜。

 

これだけのシリーズを英語で読んだの初めてだったのですが…読破しました!涙

5巻の予定が11巻、そのうち最初の4巻だけ日本語7巻英語で読むなんて想定外です笑 やっぱり日本語のようには読み進められませんでしたが、kindleの辞書機能のおかげでどうにか読み終わりました…!

作品が続くにつれ視点が主人公のマックだけでなく、ほかの登場人物にとって代わったりして大変でした…特に”Iced”は読みづらかった。大汗

 

私の感想

KMMのハイランドシリーズからはガラリと雰囲気が変わったフィーバーシリーズ。前者は1巻完結型のハッピーエンドですが、後者はダークなストーリで主人公のマックは試練の連続です。

アメリカ南部(田舎)出身の箱入り娘マックが、謎多き人物バロンズの手を借りながら見知らぬ土地(アイルランド)で試練を通じて成長する姿は勇気づけられます。

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キラキラ女子のマックとダークで謎の多いバロンズの対照的なこのコンビ。ブレない信条のもと、狡猾に自分の欲しいものはなんでも手に入れる男バロンズに対して、若いマックも歯に衣着せぬ物言いで負けていません。2人の会話や関係性の変化はこのシリーズの見どころでもあります。

悩みながらも強くなっていくマックを的確に導くバロンズの言葉は読者の心に刺さります!

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ダークなストーリーもマックが主人公だとダークになりすぎないところもいいですね。

ハリー・ポッターやトワイライトと同じようにシリーズを読み終えてから、なんだか寂しく感じてしまうほど面白い作品でした。

 

面白ポイント

ハイランドシリーズとのクロスオーバー

実はハイランドシリーズで出てくる、スコットランドドルイド一族 マッケルター(ダゲウスドゥルスタンキアン)に加え、善妖精のアダム・ブラックがフィーバーシリーズにも出てきます。

悪妖精らによって世界が破滅する大ピンチに陥り、マック&バロンズらとスコットランドドルイドが手を組むという形です。

“The four Keltar Druids brought their wives and children. They breed like it’s their personal mission to populate their country in case somebody attacks again, as if anybody wants the bloody place. There were dozens of them. Everywhere. It was total chaos.”

—『Shadowfever: Fever Series Book 5』Karen Marie Moning著 417ページ より
https://a.co/c3tVny5

ここでもバロンズのシニカルなコメントが光ります笑

 

バロンズの謎

妖精にも恐れられるバロンズ。物語が進むにつれ、実はバロンズがとてつもなく長いこと生きていることが発覚します。

一体彼は何なのか…妖精魔術師ドルイド?はたまた悪妖精の王

そんな彼は一体何のためにシーサドゥを求めているのか

マックが聞いてもバロンズは答えをはぐらかします。

“What do you want the Book for, Barrons?” He smiled. Well, he showed me his teeth, anyway. “One spell, Ms. Lane. That’s all. Don’t worry your pretty little head.”

—『Shadowfever: Fever Series Book 5』Karen Marie Moning著
https://a.co/9jFT9Fv

(のちにバロンズが「シーサドゥ」を求めるとても切ない理由は明らかになります。)

 

しかし、だんだんと「バロンズはバロンズ」とマックも読者も納得させられてしまうんです。面白い…。

“I won’t ask. I don’t need to know.” I realized it was true. I was no longer obsessed with having a name and an explanation for Jericho Barrons. He was what he was. No name, no reasons, would alter anything about him. Or how I felt.

—『Shadowfever: Fever Series Book 5』Karen Marie Moning著

会話のコミカルさ

マックとバロンズだけでなく、他のキャラクターも個性的で会話がとっても面白い!

マックをめぐる妖精の王子ヴィーレーンとバロンズの会話は特に面白いです。

「…こいつはおまえを殴ったりはしなかっただろうな、マッケイラ?もしそうだったらわたしがこいつを殺してやる」

……

「殺せるといわんばかりだな」バロンズが言った。

「無理かもしれぬが、想像しただけでも十分に楽しめるぞ」

「かかってこい、ティンカー・ベル」

ー『聖なる槍に導かれ』221・222ページより

妖精の王子ティンカーベル呼ばわりするバロンズ、さすが笑

 

“Unbelievable,” I heard Christian mutter behind me.

“She toops them both?” I heard Drustan ask.

“And they permit it?” Dageus sounded baffled.

I looked between V’lane and Barrons. “This isn’t even about me.”

—『Shadowfever: Fever Series Book 5』Karen Marie Moning著
https://a.co/inNYSQS

ヴィーレーン・バロンズ・マックの三角関係?にはマッケルター一族もびっくりです。

 

登場する音楽たち

映画やドラマにはイメージソング/テーマソングなどがありますが、本にはなかなか無いですよね?

ですがフィーバーシリーズにはたくさんの実在の音楽が出てきます。実際にシーンで流れている音楽を聴いてみるとよりストーリーに没入できて楽しいです。

Spotifyでフィーバーシリーズのプレイリストを作ってくれた方がいるので貼っておきます👇

open.spotify.com

 

読者を飽きさせないプロットと伏線回収

「お前、それ最初っから知ってたんか⁈」

「え、お前○○だったの⁈」

「そんなことがあったなんて…!」

読みながらなんど頭を抱えたことか…!新たな事実が浮かび上がるたびに読み返したくなる、読者を夢中にさせる中毒性のある作品です。ここではネタバレになってしまうのでなにも書きませんが、読んだら誰かと語りたくなってしまう作品でもあります。わたしもこの記事を書きながらまた読みたくなってきました!

 

おまけ

フィーバーシリーズ第5巻『Shadowfever』で(名前だけ)初登場するダンサーが、10巻の『High Voltage』でダニーに宛てた手紙で日本の「運命の赤い糸」の迷信について記述していたので載せておきます。

Google the red thread of Japanese myth. ..... the Japanese believe our relationships are predestined by gods who tie together the pinky fingers of those who are supposed to find each other in life. People connected by red threads will have a profound impact on one another, life-changing, soul-shaping impact. They’ll make history together. Although those threads can get tangled, knotted, and snarled, they’re unbreakable.

—『High Voltage (Fever Book 10)』Karen Marie Moning著
https://a.co/hC93BcV

この手紙のシーン、文字通り号泣しながら読みました…。

 

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