アメリカ南部で田舎暮らし

You key Aー結婚4年目にIR-1ビザで渡米(’23年5月)。AR在住💎🌿

アメリカでお仕事始めました(医療関係)

こんにちは!

渡米し早くも2か月経とうとしています。渡米して1週間後に働き始めたのですが、仕事にもだいぶ慣れてきました。アメリカの医療関係の知識が多少ついたのでご紹介します!


°˖✧目次✧˖°

 

がっつりコネ就職

私の義母は看護師として、20年以上にわたって同じ家庭医療専門のクリニックに勤めています。いわゆる地域のかかりつけ医として働いている先生の右腕的な存在で、先生は「彼女が辞めることになったら私も医院を閉める」というほど。

 

実は夫もアルバイトとして同じクリニックで少しの間だけ今年の頭に働いていました。

去年の夏に日本からアメリカへ帰国した際、夫は義父がやっていた不動産の仕事をするため不動産仲介人(Realtor)の資格を取得しました。しかし、そのころ義父は新しく始めたコーヒーショップの事業に専念し始め、また高金利と不景気の影響で全く軌道に乗らなかったためキャリアを考え直すことにしたのでした。(その後、夫はIT系の業界に転職)

 

そんなこんなで夫のすすめもあり、初めてのアメリカでの就職先に身内がいる安心感もあったため義母にお願いしてクリニックでアシスタントスタッフとして雇ってもらいました!

 

仕事内容

実は受付のスタッフが辞めたばかりでした。(辞めた理由は「中東へのキリスト教布教活動のため」というなんともアメリカ南部らしい理由)

ということで、次の受付が決まるまで私が受付に座ることに!(大丈夫なのか)

 

受付の仕事はざっとこんな感じ。

  • 問診票の準備
  • 電話対応
  • 受付事務
  • 来客対応
  • 患者の診察予約管理
  • 郵便物の管理
  • 診察費等の出納事務
  • FAXで届いた書類の管理

患者の情報はすべてコンピュータ上のシステムで管理しているのですが、問診票などはすべて紙で印刷して先生も手書きでカルテを記入しており結構アナログな面もあります。

使われているシステムもすごい年季入っていて、公務員時代に保険関係の仕事をしていた私にはとても懐かしい感じがしました笑 前職と共通する部分や似た部分もあったので言語の壁がある私にはありがたい。

 

最初の2週間

始めは義母が(ベテランナースなのに)一緒に受付についてくれて手取り足取り教えてくれたので、システムの基本的な使い方はすぐ覚えられました。受付も大体聞くことは決まっているので、こちらから聞く分には大丈夫になりました。

ただ、難しい支払の内容や薬、他の病院への紹介についてなどは義母に丸投げ。

 

また、2週間目からは電話もとるようになりました。ただでさえ電話嫌いなのに、それを英語で取らねばならないという苦行に最初は抵抗があったのですが…今でも嫌です!笑 電話が鳴ると心臓ドキドキしてしまってもう一種の恐怖症ですね。簡単な既存の患者の診察予約とかはだいぶ慣れました。

 

幸いシステムに既存の患者の情報が入っているので、情報が断片的でも相手を特定しやすいです。電話ではだいたい名前を聞いても聴き取れなかったりスペルが分からないので、生年月日を聞くようになりました。まあ、よく聞き逃すんですけどね汗 また、相手の電話番号が表示されるタイプの電話を使用しているので電話番号で検索に引っかかってくれることもあります。

 

新しい受付さんが決まった!

働き始めで3、4週間後には新しい受付の人が雇われました。電話や受付は基本的にその方がしてくれています。受付が忙しいときはもちろん私もお手伝いしますが、電話を受ける数が格段に減ったのは嬉しいです笑 そのかわり、保険請求の事務などが増えました。

 

私が覚えた基本的な医療用語

いくら前職で保険関係の仕事をしていたとはいえ、アメリカの保険制度は日本と全く異なっています。そこで私が覚えたアメリカの基本的な医療/保険用語を紹介します。

Network

 保険会社と提携している医療機関のこと。保険会社によって提携していない医療機関があり、そこで医療を受けると医療費が高額になることがあります。病院やクリニックを探すときは自分の医療保険が提携している医療機関を探したほうが良いです。

 保険証には"HMO" (Health Maintenance Organization)"PPO" (Preferred Provider Organization)"POS" (Point-of Service Plan)"EPO" (Exclusive Provider Organization)などと書かれています。ネットワーク外の医療機関にかかった場合にも補償が付く場合は"INN"(In-Network)"OON"(Out-of-Network)と書かれています。

PCP

 "Primary Care Provider"のこと。いわゆるかかりつけ医各専門に応じてかかりつけ医がいる日本とは違い、PCPがまず診断を行って必要に応じて専門医に紹介してくれます。PCPは病気もケガなど基本的になんでも診てくれます。保険のネットワークによってはPCP不要の場合もあります。

Co-Pay

 病院で医療を受けるたびに窓口で払う自己負担額のこと。金額は$15-$25が一般的ですが、私が知っている限りではPCPで$4.7~$60まであります。この金額が高いほど保険料が安くなる傾向にあるようです。次に紹介するDeductableのあるプランはCo-payはありません。

 保険証には"OV"(Office Visit)"PCP"(Primary Care Provider)"SPEC"(Specialty Care)"ER"(Emergency Room)"URG"(Urgent Care)などと書かれており、医療機関ごとにCo-payは異なります。

Deductable

 ディダクタブルと読みます。被保険者が負担する免責額この金額の医療費を支払い終えるまで保険会社からの保証は始まりません。数百から数千ドルで、こちらも金額が高いほど保険料が安くなります。

 保険証には"DED"などと書いてあります。

PA

 ”Prior Authorization”のこと。高額な治療などに対する保険会社の事前承認のこと。治療内容や保険会社のプランによって非承認となる場合があり、そういった場合は全額自己負担か別の治療方法を探すことになります。

Medicare/Madicaid

 公的な医療保険Medicareは障害者と65歳以上の高齢者、Madicaidは65歳以下の低所得者などが対象です。医療機関によっては診察を断られてしまう場合もあります。

 

アメリカの医療保険はとても複雑…。いざ治療が必要となったときに困らないよう自分の保険について知っておくのは大切だなと思いました。アメリカはやっぱり「金が物言う社会」だなと思います。

ちなみに私の保険はネットワーク内の医療機関にかかるときにDeductableが4000ドルかかるプラン(白目)。いまは若くて持病もないのでその分保険料が安いのは魅力的ですが、事故にでもあったらと思うと不安です。そろそろ子どもも欲しいので、医療費のことを考えると心配は尽きません…。

 

クセ強患者ストーリー

クリニックで働き始めてたった2ヶ月ですが、やはり第二言語を使って働くのは楽ではなく…。実際に起こった体験談を紹介します。

「私に話しかけとんのか!(逆ギレ)」

お金の話になるとやはり人はムキになります。この患者さんも支払いについて揉め、虫の居所が悪くなりました(義母が対応し私は隣で聞いてるだけ)。やけくそで支払いを済ませ、さっさと待合室に向かおうとした彼女に私が問診票の記入をお願いしたところ、"Are you talking to ME???"とすごい形相でキレられました。そうです、あなたしかいません。

「アナタ、12歳に見えるわね」

働いて1週間目。白髪のマダムに"You look like 12. That's a good thing though!"と言われました。いや、絶対褒めてないやろ。

「なんでオマエに住所教えなきゃあかんねん」

患者さんに請求書を送って数日後、住所が変わってしまったようで返送されてきました。電話で新しい住所を聞いたら、「チェリーストリート?シェリストリートよ。そもそもその住所が間違ってんのよ。まあ、もうそこには住んでないけど。」結局住んでないんかーい笑

"You say you are from doctor's office, but I don't know you. Why do I tell you my address?" ごもっともだけど、住所変わったんならそっちから教えてくれなきゃ分かりようがなかろう。新しい受付の方ににパスしたらあっさり教えてくれた。私のブロークンイングリッシュのせいですね…。

「私はラブリーパーソン♡」

電話に新規患者からのボイスメッセージ。新しいPCPを探しているとのこと。"I think I am a lovely person!"というのでとりあえず折り返してみることに。するとMedicare(うちは新規のMedicareは現在受け入れていない)ということでお断りしたところ、「じゃあ1か月後ならいいの?」「そちらのドクターは患者を選ぶのね!」と全く引かず、お手伝いできなくてごめんなさいといっても「じゃあ2か月後ならどう?」と粘る。申し訳ないけれど、今わたしにできることは何もありませんといったらガチャ切りされました全然ラブリーじゃない。

 

「あなたの診察予約はすべてキャンセルしました」

他の病院からきた書類の整理を行っていたところ、"We cannot tolerate your rudeness and cursing toward our staff. We cancelled all of your future appointments as of today."という不穏な手紙が…。共通の患者さんに対する診察お断りのお手紙をシェアして下さったようです。「次の医師が見つかり次第、カルテを送るので手続きに必要な書類を持参してください。当施設100フィート(約30メートル)以内にお越しくだされば適切に対応いたします」とのこと。建物内には入るなということですね。いわゆる出禁。

このキッパリ断れるアメリカの感じすごい。

 

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