アメリカ南部で田舎暮らし

You key Aー結婚4年目にIR-1ビザで渡米(’23年5月)。AR在住💎🌿

【洋書読書②】The War of Lost Hearts シリーズ

こんにちは!

 

最近読んだThe War of Lost Heartsシリーズが良かったのでご紹介します。

またもやファンタジーロマンスですが、こちらの作品は3部作Kindle  Unlimitedで全部読めますよ〜!

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°˖✧目次✧˖°

 

The War of Lost Heartsの第一作のタイトルは『Daughter of No World』で、とても美しくてキャッチーなカバー。表紙買いしたくなります。第二作は『Children of Fallen God』、第三作は『Mother of Death & Dawn』となっています。 

 

あらすじ

幼い頃に国を追われ、母親と引き離されたティシャナスレル国のとある領主のもとで奴隷となった。ティシャナはいわゆるヴァルテインと呼ばれる魔法を使うことができるが、一般的にヴァルテインアルビノであるのに対し彼女はまだらの肌とグリーンとシルバーの瞳を持つ。彼女は何年もの間、自分の自由を買うために必死に働いていた。

ついにある日、ティシャナは自分の自由を買えるだけの金貨を手に領主と向き合うものの領主は激怒。理不尽に罰せられるなかでティシャナは誤って自分の魔法で領主を殺めてしまう。酷い怪我を負ったティシャナだったが、同じく奴隷で親友のセレルに助けられ辛うじて海を超えアレン国に亡命する。

ティシャナがアレン国を選んだのは、「オーダー」と呼ばれる組織に入り、泣く泣く残した親友のセレル、そして自分と同じように苦しむ大勢の奴隷をスレル国の奴隷制から救うためだった。

セレル国でオーダー準司令官のヌラの指示のもと、ティシャナは訓練のため教官をあてがわれたが、教官に選ばれたマクサンタリウス(通称マックス)はヴァルテインではなくソラリーという種類の魔法を使う国の英雄だった。彼は「たった一人で戦争を終わらせた」という過去を持つが、ヌラとマックスの間には確執があるようでマックスはティシャナの教育を断固拒否。前線を離れ隠遁生活同然の暮らしをしているマックス曰く、「オーダーはそんな素晴らしいものじゃない」のだという…。

 

私の感想

ベースはファンタジーロマンスですが、戦争奴隷制という重いトピックが題材となっていて、心も身体も傷ついた主人公のティシャナ、そしてマックスが平和のために戦う姿が描かれています。2人の関係が師弟から、かけがえのないパートナーとなっていく過程も見どころ!

第二作はからは視点が増えて500年前に滅びたはずの妖精も登場。人間の世界だけでなく妖精の世界も巻き込んだ争いを2人がどう戦っていくのか、読み出したら止まらない本でした。

 

ティシャナは言葉も異なる異国の地でも前を向てひたむきに頑張る強さと、どんな過酷な状況でも人のために戦う優しさを持った主人公。

My name is Tisaanah. I am a free woman and yet still a slave. I am fragments of many things but a whole of only myself. I am a daughter of no worlds, and all worlds. And I am not done yet.

-Daughter of No Worlds (The War of Lost Hearts Book 1) より

また、どんなにひどい目にあっても最終的にはティシャナと共に戦う決意をするマックスはいい意味で人間味があってヌラとは対照的。口下手だけどティシャナに対する思いは読み手にちゃんと伝わってきた~!

I picked up one that had fallen to the cobblestones, smoothed out a crinkle on its petal, and handed it to Tisaanah. “It would be a waste to let it sit on the ground,” I said, by way of explanation. Sammerin gave me a look that silently said, Really? That’s what you’re going with?

-Mother of Death and Dawn (The War of Lost Hearts Book 3)より

愛する国のためならどんな事も厭わない冷酷なヌラ。きっとこの冷酷さには何かあるんだ!と思いましたが、読み終わっても理解しかねるキャラクターでした。

“I love this country,” Nura snapped. “I’ve seen what you do to the things you claim you love.” He thrust his hand out, gesturing to Ara’s smoking shoreline. “We can’t survive your Ascended-damned love, Nura. And I think you know it, too. Don’t tell me you think this is right.”

-Mother of Death and Dawn (The War of Lost Hearts Book 3)より

別作品ですが私の大好きなフィーバーシリーズのバロンズが言っていた””について、まさにヌラのような人のことを言うんだなと納得してしまいました。

Evil is bad that believes it's good.

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見どころポイント

ブックカバーがかっこいい!

Daughter of No World

多分表紙買いした人も多いのではないかと思います。表紙が登場人物の絵っていう本は案外少ないので、本を読んでファンアートを探したりする方もいると思いますが、このシリーズに関してはティシャナが表紙を飾っているので想像しやすいです!

ほんとにカッコイイ!!

 

アレン国の秘密兵器:謎に満ちたリシェイ

ティシャナは無事オーダーの試験に合格しますが、オーダーの総司令官ゼリスから”強力な武器のホスト”になる資格があると伝えられます。その”武器”はかつてマックスも保持していたことがあり、マックスはその力で戦争を終結させたのでした。

結局ティシャナはこの提案を血の契約を結ぶことを条件に受け入れます。

この”武器”はいわゆる「生の魔法」のようなもので、通常人間が使うことのできる魔法よりもはるかに強力で自我を持っており、自分をリシェイと呼んでいます。

What were you? Before?

{I do not remember. Now I am only pieces of many things. Incomplete.}

-Daughter of No Worlds (The War of Lost Hearts Book 1) より

リシェイはティシャナの意識の中に話しかけ、過去の記憶を見せてきます。もちろんその中にはリシェイがマックスの中にいたときのものもあり、マックスの隠された暗い過去が明らかになっていきます。

リシェイは憎しみや怒りの感情がとても強く、時にホストのコントロールを奪って暴走してしまいます。

果たして、ティシャナはこの力を使いこなし世界を救うことができるのか?そして後に明らかになるリシェイの正体とは何なのか?

 

妖精と人間

序盤はマックスとティシャナの訓練と成長を描いていますが、2人は徐々に血なまぐさい争いに巻き込まれていきます。第二作からは2人の世界の描写に加え、人間の襲撃に立ち向かおうとする妖精たちの描写が出てきます。500年前に滅びたはずの妖精、いったいこれは過去の話なのか、それとも…。交互に視点が入れ替わり、ティシャナとマックスがどのように妖精と関わりがあるのか、どちらの描写も気になって読む手が止まらなくなります。

 

スピンオフ

実は作者のEメールをサブスクすると読めるスピンオフ作品があります。『Ashen Son』というタイトルのこの作品は、本編より前のマックスの若かりし頃を描いた作品らしいです。ティシャナと出会う前のマックスは本編の中でも少し出てくるのですが、私はヌラがあまり好きになれなかったので、読む気になれませんでした…

が、この本はマックスが主人公なので、表紙がマックスなのです!

Ashen Son

へー、マックスこんな感じなんだ~!

と思って読みませんでした…気が向いたら読みます。

 

同著者の別作品

実は著者のカリッサ・ブロードベントはCrowns of Nyaxiaという現在別のシリーズを執筆中。第一作の『The Serpent and The Wings of Night』のレビューがとっても良くてずっと読みたかったのです!ただThe War of Lost Heartシリーズは完結していたのでこちらから先に読みました。

と言っている間に、『The Serpent and The Wings of Night』も読み終えてしまいました…😂

別記事にしますが、いやぁ〜!めっちゃ良かった!早くも今年読んだ中で一番の本では?と思っています。シリーズは5部作の予定でまだ一作しか出ていないのですが、続きが楽しみです!!第二作は2023年4月14日発売です。

 

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